2012/11/28

近況

先週より、ようやく実装中心の生活に戻った所です。『とびだせ どうぶつの森』をわずかにプレイしながら。どうぶつの森は、自分でプレイ方針を決めるスタイルのゲームであるため、本当に面白いですね。

DQX については、先の近況報告の時点で利用券購入を止めていましたが、その後、『デモンズソウル』のトロコン、および、『ダークソウル』のトロコンと DLC 攻略に狂っていました。デモンズソウルでは、トロコン以外にも縛りプレイなどを続けていました。
僕は、デモンズソウルやダークソウルの動画と生放送をニコニコ動画で頻繁に視聴しているのですが、観ているとどうしても自分でやりたいという衝動にかられ、その欲望のままに再プレイを始めていました。

最近は、ほぼ毎日のように、夜はダークソウル RTA に挑戦する某氏二人 (落ち着いた口調の方と煽り口調の方) の生放送を視聴しています。正直、僕は、ダークソウルはデモンズソウルと比べると、その面白さがはるかに劣る (比較にすらならない) と感じていますが、RTA の視聴となると、タイムを縮めるための実況者の試行錯誤を垣間見ることができ、非常に面白いです。

実装の近況ですが、色々と悩んだ挙句、今は Minecraft クローンに近いものを実装しています。

僕は、Minecraft のようなゲームを作りたいわけではないですが (そもそもゲームを作りたいわけでもないですが)、ブロックで表現される世界のエディットを考えると、それは Minecraft でブロックを生成および消滅させることと同じであり、ならば Minecraft のような設計がベストであろうと考えるに至りました。

今月中にデータ定義と描画までは終わらせたかったのですが、エディタを考慮したオブジェクトの扱いや、Web 上でのデータの公開を同時に検討していると、一筋縄ではいかず、年内に終われば良いかなと考えている所です。できれば、数年前に上げた動画のように、物理エンジンへの統合とエフェクトの実装までは行いたいですが、あわてず進めていこうと思っています。

2012/08/22

DQX 廃人中から軌道修正中

DQX を、メインにエルフ♂、セカンドにドワーフ♀でプレイしています。

昨日の時点で、メインが僧侶 40、木工 30、セカンドが僧侶 24、ランプ錬金 24 です。シナリオは先輩と 2 人で進行し、人の姿を取り戻した所で長らく止まっています。

発売日から 3 日後位から木工を始め、僧侶上げよりも木工でバザー販売している方が楽しいと感じ、延々と木工をやり続けていました。僧侶レベルは、出品した物が捌けるのを待つ間、敵を適当に狩っていたら上がっていたという感じです。

それで楽しんでいたのに、まさかの 30 キャップで一気に白けました。そこで、次の楽しみを探し、木工での稼ぎの一部を資金として、セカンドでランプ錬金を地味に上げていた所です。

ですが、総じて飽きてきました。徐々にプログラミングのペースを取り戻し、DQX からフェードアウトしようと思います。

2012/08/01

Hydraulic erosion 調査

Hydraulic erosion について色々と調べていました・・・と言うか、幾つかの実装を終えました。その内の 1 つが、F.Kenton Musgrave、Craig E. Kolb、Robert S. Mace による『The Synthesis and Rendering of Eroded Fractal Terrains』で述べられているアルゴリズムによるものです。

で、そのうち調べたことを忘れ、その時に再度英語で論文を読み返すのも疲れると考え、備忘のために自分の解釈でまとめてみることにしました。なお、図解はしませんし、専門家ではないので言い回しの問題はご容赦ください。また、原文の訳を載せているわけではないので注意してください。

Musgrave らの論文の PDF は以下から得られますが・・・これは大丈夫なんでしょうか?
ebookbrowse.com: The Synthesis and Rendering of Eroded Fractal Terrains pdf
日本語で hydraulic erosion を何と言えば良いのか分かりませんが、大雑把には、
  1. 雨が降り、
  2. 雨により土が削られて土砂が生まれ、
  3. 土砂が水に混じり、
  4. 水の流れと共に土砂が移動し、
  5. 時に土砂が堆積する、
という現象のシミュレートと言えば良いでしょうか。 なお、水の流れと言っても、河川のような複雑な水の流れを考えるのではありません。


アルゴリズム

※原文は時間 $t$ から $t + 1$ への変化で説明していますが、なんだか式が見づらくなるので表記を省き、数式をプログラミング言語としての式へ変えています。

Height map 上のセルについて、$a$ (altitude: 地形の高さ)、$w$ (water: 雨による水の量)、$s$ (sediment: 水に混じっている土砂の量) を考えます。

このアルゴリズムの上では、雨による $w$ の定め方については触れません。シンプルな雨の実装としては、各ループの最初に一律で $w$ へ値を加える方法がありますし、少しランダムな状態としたければノイズ関数で値を加えるなどの方法もあります。いずれにせよ、何らかの形で $w$ を与える必要はあります。

なお、シミュレーションの最初のループでは $s = 0$ であり、処理の過程において水が土を削ることで土砂が生まれる点に注意が必要です (最初から土砂があると考えてアルゴリズムを見ると混乱します)。
また、実装では height map 上の全セルについて水の移動を処理する必要がありますが、ここではセル $v$ について、隣接するセル $u$ への移動を説明している点に注意が必要です。

セル $v$ から $u$ へ流れ出る水の量 $\Delta w$ は次式となります。
\[ \Delta w = min(w_{v}, (w_{v} + a_{v}) - (w_{u} + a_{u})) \]
まず、$\Delta w \leq 0$ は、「$v$ には水がない」あるいは「$v$ から $u$ へは水は流れ出ることができない」ことを表しているため、水の移動を考えず、土砂の堆積のみを考えます。 ここで、堆積の割合を定数 $K_{d}$ (deposition constant) で定義し、堆積する量を $K_{d} s_{v}$ として堆積を処理します。
\begin{eqnarray} a_{v} &=& a_{v} + K_{d} s_{v} \\ s_{v} &=& s_{v} - K_{d} s_{v} = (1 - K_{d}) s_{v} \end{eqnarray}
一方、$0 < \Delta w$ では水が移動できるため、土砂の移動についても考えます。まず、水の移動は単純に次式で表せます。
\begin{eqnarray} w_{v} &=& w_{v} - \Delta w \\ w_{u} &=& w_{u} + \Delta w \end{eqnarray}
次に、水と共に移動する土砂の量ですが、水が全ての土砂を運べるとは限らず、その能力には限界があります。そこで、水が運べる土砂の割合を定数 $K_{c}$ (sediment capacity constant) で定義し、$\Delta w$ について共に移動する土砂の量 $c$ (sediment capacity) を次式で定めます。
\[ c = K_{c} \Delta w \]
ここで、$c$ と $s_{v}$ の比較で処理が分岐します。 まず、$s_{v} \geq c$ では $c$ 分を移動させるだけの $s_{v}$ があるため、そのまま移動させます。そして、移動後の残りの分 $s_{v} - c$ について堆積を考えます。
\begin{eqnarray} s_{u} &=& s_{u} + c \\ a_{v} &=& a_{v} + K_{d} (s_{v} - c) \\ s_{v} &=& s_{v} - c - K_{d}(s_{v} - c) = (1 - K_{d})(s_{v} - c) \end{eqnarray}
一方、$s_{v} < c$ では、$c$ 分の移動には $s_{v}$ が不足していますが、この状態は、「更に土が水に混じる余地のある状態」と考えることができるため、土を削って土砂を生み出すこととします。

なお、シミュレーションの最初の段階では $s = 0$ であり、必ずこの処理に入ります。そして、この処理で土砂が生まれ、$s$ が増加するということになります。

ここで、土砂として水に混じることのできる量に対して、実際に土砂として削る割合を定数 $K_{s}$ (soil softness constant) で定義し、$K_{s} (c - s_{v})$ だけ地形を削り新たな土砂とし、次式で水と土砂の移動と堆積を考えます。
\begin{eqnarray} s_{u} &=& s_{u} + s_{v} + K_{s} (c - s_{v}) \\ a_{v} &=& a_{v} - K_{s} (c - s_{v}) \\ s_{v} &=& 0 \end{eqnarray}
・・・と、以上のようなアルゴリズムを考えるそうです。そして、ここまでの処理を $n$ 回繰り返してシミュレーションとします。

MathJax 導入

数式を書くために、試しに MathJax を導入しました。

$ e^{i\pi}=-1 \tag{1} $
下記サイトの手順に従って導入しました。
Ichiro Maruta Homepage: BloggerでMathJaxを使ってTeXっぽく数式を入れる方法
TeX を使う日が再び訪れるとは・・・流石に構文を思い出せません。

2012/07/30

Terrain Texturing

あまり興味がなかったので、地形にテクスチャを貼ることを無視していたのですが、何だか貼りたくなる発作が起こり、貼りました。


上図では MinFilter = Anisotropic、MaxAnisotropy = 4 としています。MaxAnisotropy = 16 でもそれなりに動いたのですが、描画する範囲が増える局面では 60fps を維持できなくなってしまいました・・・。この辺りを考えると、やはりまだまだ改善すべき点があるのだろうと感じます。

この実装では、下記サイトのデモ コードからテクスチャを拝借しています。
dhpoware: XNA 4.0 Terrain Texturing Demo
HLSL も上記サイトとほぼ同じにしていますが、かなりやっつけ仕事として既存の実装へマージした状態です。
仕組は、4 枚の diffuse map を渡し、高さから定まる割合を元に各 diffuse map から得られる色への重み付けを決定してブレンドするという、数多のサイトで紹介されているシンプルな実装です。

ソースコードは以下のタグで取得できます (プロジェクト構成については「XNA Infinite Terrain 改」を参照してください)。
GitHub: TestXna (tag 20120730-2)

やはり、テクスチャを貼ると、それだけで質が上がったような気分になれますね。むしろ、「最初からそうしろよ!」という気がしないでもありません。

XNA Infinite Terrain 改

2012/07/27

Midpoint Displacement による地形生成

Midpoint Displacement による地形生成を実装していました。
Wikipedia (en): Midpoint displacement algorithm - Diamond-square algorithm
日本語では「中点変位法」と呼ぶようです。なお、Diamond-square algorithm については実装していません。

アルゴリズムについては、下記サイトの説明が分かりやすいと思います。
Generating Random Fractal Terrain: Midpoint Displacement in One Dimension
fractalterraingeneration: Midpoint Displacement
極めて簡単にアルゴリズムを説明すると、最初に height map の 4 隅に値を与え、2 点間の中点に対してそれら平均値 + 誤差 (乱数) を与えて決定し、この中点の決定を必要な所まで繰り返すというものです。

検索すると数多の公開コードがありましたが、サイト fractalterraingeneration で公開されているコードが最も綺麗に見えたので、これを元に実装しています。

なお、僕のコードでは、実行中に複数の height map を生成して並べたいため、シードを与えた後、(x, y) に対して一意に値が定まるような擬似乱数を用いています (ノイズの利用で行なっている事と同じ)。
見かけた公開コードの全ては (探せば別の物もあるでしょうが)、基点となる 4 隅の高さや中点の変位量を定める際に、C# ならば Random.NextDouble() に代表されるような擬似乱数生成器の値をそのまま利用していましたが、この方法では height map 間の境界上での高さを一致させることは困難です。

また、サイト fractalterraingeneration のコードでは、変位の際に与える誤差の重み付けが大雑把なため、サイト Generating Random Fractal Terrain の説明にあるようなパラメータ H による制御としています。なお、他のサイトでは、変位量の計算メソッドをオーバライド可にし、柔軟に実装を変更できるようにしているものもありました。

下図は、Midpoint displacement で height map を生成し、高度による色付けを行ってみた結果です。


下図は、「XNA Infinite Terrain アップ」で紹介したコードの Midpoint displacement 版を実行した結果です。


まぁ・・・ノイズ計算と重ね合わせを実行することに比べると、極めて高速です。見た目も十分に地形であり、今まで僕がノイズで作っていた地形よりも地形らしく見えるような気がしないでもありません。

ただし、多様な地形を表現できるかどうかについては、Midpoint displacement では厳しいであろうと考えています (特定の座標にある値を即座に得ることはできない仕組みであるため)。

また別の問題として、僕には今のところ解決の術が見つからないのですが、中点を選んでの変位を繰り返す処理ゆえに、綺麗に中点を選択できなくなる height map サイズを用いる場合、height map 同士の特定の位置にある高さを一致させることが難しくなります。
地形をポリゴンで描画する際、境界上にある頂点の法線を地形同士で一致させるために、僕は通常用いられる height map よりも 1 ピクセル分だけ余分に確保して法線の算出に用いていたのですが、Midpoint displacement ではこれを行うことができません。実行中の height map 生成でなければ、隣接する height map から情報を拝借して済む問題ではあるのですが。
このため、地形描画コードでは、height map 同士が隣接する境界での法線が不正となり、繋ぎ目が見える状態です。

下記にソースコードを置きました。
GitHub: TestXna (tag 20120727)
上記 Git プロジェクトのうち、下記の XNA プロジェクトが対象です (全てをダウンロードしなければコンパイルできません)。
  • MidpointDisplacementDemo: デモ アプリケーションのソリューション
  • DemoFramework: 基礎的なクラスを含むライブラリ
  • Framework.Terrain: 地形描画の基礎となるクラスを含むライブラリ
  • Framework.Terrain.CDLOD: CDLOD のためのライブラリ
  • Framework.Landscape: 動的地形生成管理のためのライブラリ
また、MidpointDisplacementDemo ソリューションは、以下の 2 つのスタート アップ プロジェクトを持ちます。
  • MidpointDisplacementDemo: 単に色付けしてテクスチャとして表示するデモ
  • MDTerrainDemo: ポリゴンで実際に描画するデモ
なお、Midpoint displacement の実装そのものだけならば、以下のファイルとなります。
GitHub: MidpointDisplacement.cs

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